秋風





蝉の亡骸がやたら目につく

日射しはそれでも正しい熱で刺す

吹く風をすこしやさしいというのなら

たまゆら、秋に忘れられた風鈴を想う


夜の甘い波がベッドの上に訪れ

たぶん屋根の上で満月、煌々と輝く

ありえないことは何度も何度も繰り返し

背骨が抜き取られるほどの愛撫も


僕に一枚でいいので夢をくださいね

罪はよろめいてしまった狂気の足どり

いい人だなんてそんなに目指さない瞳

綺麗な髪もばっさり切ったよ罰としてね

秋風涼しくまるで疚しさを洗う、血も洗う


なんでも棄てられるからなにも欲しくないや

血を吐くほどの嘘をつく

君の綺麗な声でスキって言われたい

あとで君と上手く、手を繋ぎたい、かな

そのあとは、もう、秋の空から風も吹く










22/08/20 21:59更新 / 花澤悠
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