美しい海月



死が美しいだなんて
空をみあげると涙が止まるみたいな

ゆめものがたりだ

それは美しい死をみせられ
残されたものが語る

ゆめものがたりでもある

息ぐるしい海の中を泳ぎ
塩の痛みに目を閉じてしまった
それは星月夜

目を閉じずとも海の中では
なにもみえない

けれどもなにかは聴こえる
波の音ではなく
人魚のあげる波しぶきでもなく
セイレーンの歌う声でもなく

まるで運命の馬車がこちらへ向かって
走ってくる激しさで
少し怖いような

そのあと私を
どこに連れていってくれるのか
えいえんに

深く深く潜り
貴婦人のような海月をみたとき

その透きとおり発光する円環は
まるで運命の微笑みを
咲かせているのかと思った

そしてそのまま更に深く潜りつづけること
それが消えゆくことなのだとしても






21/05/29 07:11更新 / 花澤悠
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