その願い、忘れない。



その願い、

真夜中に花束でぶたれ
その白く凍てついた頬が
濡れている

その願い、

ドラゴンが嵐の空を翔ぶのを
黙って見上げている

その願い、

すっかり怯えてしまった貴女は
恐怖の嗚咽をこらえながら

忘れない、

竜め、竜め、竜め、と
夜通し壊れつづけている

その願い、

壊れてしまった眼差しを
もう一度だけ見つめてあげるから

その願い、

春日のような爽やかで暖かな微笑みを
もう一度だけでも
魅せてくれないだろうか

その願い、

それでもう誓ってしまってもいい
貴女を幸せにしてあげる

その願い、

それでもう世界から逃れてもいい
私も幸せになれると誓う

忘れない。





20/01/29 01:05更新 / 花澤悠
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