泣く女


指先の
冷たい爪が心臓を
刺す日が怖くて深爪の秋


このこころ
情熱の赤と彼はいう
要は昨夜の血の色だけどね


片頬で
くちびるつりあげ闇の笑み
怯えを消し去り取り戻す夢


おんな泣く
帰しに来てくれたのはからだね
こころは奪われ殺されバラバラ


海底の
あなたが魚にみえた日に
あなたを食べてみたいとねだった


「良い別れ」
そういう卑怯に目もくれず
悲しみ痛みにまず喚き泣く






19/03/03 04:34更新 / 花澤悠
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