風が吹く


 
あの鐘を
聴きながらこの年がゆく
きっと乗りたい除夜のはこぶね



夕方の
寂しい匂いを忘れたく
夜道の果ての我が家へ向かう



ショコラティエ
みたいに一途に作りたい
こねくりまわして愛にまみれて



王がいる
世界はどんな風が吹く
ソイツを弑せば世界がガタつく




牛乳を
飲めない子どものころ知った
濃厚ねっとりした母の愛





さつまいも
クリームブリュレを食べたいと
メニューをにらむ古民家の店




きな粉とか
あんこだとか抹茶とか
母のおはぎを食べたい秋風










25/11/22 08:49更新 / 花澤悠
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