小雪舞ううた


 

おやすみなさいと

満月から聴こえた声は

夕方までの小雪のせいか

虹色の幸運にくるまれてるみたい

ゆっくりと眠れそうで

おもわずおやすみなさいと

ちいさなつぶやきをもらしてしまう


エーテルのようなヨタカの

せつないなき声が震えているのは

きっとこころから祈った昼間の讃美歌が

マフラーみたいにこころを巻いていて

夜になるとあたたかいマフラーを

教会に置いて来てしまったことに気づくから



夜の繁華な街にひしめく店たちは

ケバケバしくアイシャドウやマスカラを

つけた目で満月に照らされている

そこにわすれものみたいな

儚げな小雪一粒

舞う

舞う



舞い

舞い

黒のアスファルトで

声もなく

溶ける








25/02/06 00:42更新 / 花澤悠
いいね!感想

TOP
まろやか投稿小説ぐれーと Ver2.35c