ときのうた



(短歌九首)

  
寒いのは
からだが感じる「とき」じゃなく
君の言葉が胸刺す喪失


夜が泣く
なんか場末の居酒屋で
突っ伏して泣く酒に呑まれて


楽なフリ
だけは忘れず人間を
つづける気でいた懐かしい「とき」


喜びを
好きだと云うのは当然か
僕は悲しみだって好きだよ


リクエスト
されてキライなうたのこと
ちょい好きになる心ってたいへん


ただ馬鹿が
このままずっと離れない
やっぱ死ななきゃ治らぬやまいか


野の花が
なにもほこらず咲くさまが
一番綺麗とうたう歌い手


そのまんま
生きればいいと信じても
美味しい「とき」を希むぜいたく


天国の
ホントを誰もしらなくて
アウトもセーフも決められなくない?







24/05/17 08:12更新 / 花澤悠
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