大大阪に雨降る夜


  

今宵、ま暗な雨音が
耳の奥まで入り込む

いつも聴こえぬ飛行機の
音まで聴こえる低い空

ただひとり寝の涼しさを
誰に告げれば、良いのかと

泣かした男の涙さえ
忘れて消えて白くなる

流した私の甘い蜜
初めて知った清い水

いつもむやみに眠たくて
さよならだけが残る夜

大大阪の紫の
今宵、雨さえ突き刺さる



夜もてっぺん回るころ
静かに眠る街のなか

遠くを走るトラックの
音だけ聴こえて小雨降り

ただ眠れない焦燥を
抱えて布団をかぶる闇

かつて愛した人のこと
忘れた涙の痛みとか

枕に沈んで溺れたい
ほどの真夜中小雨降る

いつ忘れても良い人と
さよならしたのも嘘じゃない

大大阪に音もなく
深夜小雨が泣いている










23/09/25 00:03更新 / 花澤悠
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