迷霧の連弾 95
田宮先生は背後に隠していた
ギターを手にした
さあみんなで歌うぞ
田宮先生は張り切っている
でもボクは失礼ながら
田宮先生の歌う歌は
ボクたちの知らない
昔の歌だろうと
勝手に想像していた
みんなもそう思ったのだろう
田宮先生を見つめる目が
冷ややかだった
田宮先生はそんなことを
全く気にしないで
ポロロンと弦を撫でて
歌い始めた
その歌は以外にも
洋楽だったので
みんな目を丸くして
聞いていた
昔の歌には違いなかった
だけど古さは感じない
こころに沁みる
そんな淋しげな歌なのに
爽快感が沸々と湧いてきた
田宮先生は歌い終えて
誰の歌か知っているか
得意になって
みんなに問いかけた
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