迷霧の連弾 77
理恵と田宮先生は
ボクの答えを待っていた
夕ご飯の仕事を
しないで済むのは
捨てがたいけど
理恵と一緒に
夕ご飯の準備をするのは
もっと捨てがたい
そして今更
田宮先生の説明を放り出して
課題を探しに行くのは
気がひけたので
ボクも同じです
なぜか背筋を伸ばして
うやうやしく答えた
やせ我慢するなよ
田宮先生にボクは茶化された
その姿を見た理恵は
木漏れ日を浴びて
右手で口を押さえて
小さく笑っていた
理恵の笑顔に見つめられて
ボクの顔が
赤く染まりそうなので
ワザと木漏れ日に
顔を向けて
バレないようにした
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