迷霧の連弾 57


バスはひたすら

山の中を進み

やがてキャンプ場前の

バス停に停車した

みんな一斉に

それぞれの荷物を担いで

バスを降りた

空調の効いた車内から

野外に出たので

ムワッとした

夏独特の熱気が

体にこたえた

そこへセミの

容赦ない鳴き声が

耳をつんざくので

暑さが何割も増した

田宮先生は荷物を運ぶため

自分の車で

バスの後をつけていたけど

すぐにみんなと合流し

車のハッチを勢いよく開け

中の荷物を引っ張り出して

生徒に渡した

ボクは荷物を受け取ったら

バスの後ろ姿を見送った

25/12/03 02:50更新 / 秋時雨
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