迷霧の連弾 57
バスはひたすら
山の中を進み
やがてキャンプ場前の
バス停に停車した
みんな一斉に
それぞれの荷物を担いで
バスを降りた
空調の効いた車内から
野外に出たので
ムワッとした
夏独特の熱気が
体にこたえた
そこへセミの
容赦ない鳴き声が
耳をつんざくので
暑さが何割も増した
田宮先生は荷物を運ぶため
自分の車で
バスの後をつけていたけど
すぐにみんなと合流し
車のハッチを勢いよく開け
中の荷物を引っ張り出して
生徒に渡した
ボクは荷物を受け取ったら
バスの後ろ姿を見送った
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