迷霧の連弾 34
教室に入った理恵は
さっさと席に座り
帰る支度を始めている
ホームルームが終わったら
放たれた矢のように
何者も寄せつけない勢いで
何かから逃れるように
あるいは何かに
惹きつけられるように
学校から飛び出す
理恵の行動を
先週から意識して
視線だけで追いかけて
発見した日常のひとつ
今日もいつもと同じように
そうすることは
理恵にとっては
梅雨に雨が降ることと
同じ程度に当然で
何の異常もない
むしろこれが
正常であるということを
否応なしに
ボクに見せつけていた
25/11/21 00:28更新 /
秋時雨
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