迷霧の連弾 152
彼女がだんだんと
近づいてくる
彼女は確か
ボクたちと同学年
ボクは名前ぐらいは
知っていたけど
それ以上は何も知らない
そして彼女からは
敵意のような気配も
威圧感を与えるような緊張感も
伝わってこなかった
それなのに
理恵の唇は一層固くなる
目つきに怒気がみなぎる
足だけでなく
腕も震えている
とても声をかけられない
そうしている間にも
彼女は近づいてくる
彼女の視線は
理恵に向けられている
でも何の感情も見られない
ただ通りすがりの人に
偶然目が向いたような
冷たい視線だった
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