迷霧の連弾 152


彼女がだんだんと

近づいてくる

彼女は確か

ボクたちと同学年

ボクは名前ぐらいは

知っていたけど

それ以上は何も知らない

そして彼女からは

敵意のような気配も

威圧感を与えるような緊張感も

伝わってこなかった

それなのに

理恵の唇は一層固くなる

目つきに怒気がみなぎる

足だけでなく

腕も震えている

とても声をかけられない

そうしている間にも

彼女は近づいてくる

彼女の視線は

理恵に向けられている

でも何の感情も見られない

ただ通りすがりの人に

偶然目が向いたような

冷たい視線だった

26/01/16 02:45更新 / 秋時雨
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