迷霧の連弾 151
危うく理恵に
ぶつかりそうになったので
慌ててボクは歩を止めた
理恵に何かあったのか
横に回り込んで
顔を覗き込んだ
理恵は険しい目つきで
足元を見つめている
色白の顔は赤みを帯びている
唇は固く結ばれ
歯を食いしばっている
両手を体の側面で握りしめ
膝はカタカタと
小刻みに震えている
怯えているように見えたけど
何処か違う感覚が
理恵の全身から伝わった
とても声をかけられないで
二人その場で停滞していたら
何かが近づいている
そう気配を感じたボクは
前方に目を向ける
そこには一人の女子生徒が
ボクたちと逆方向に
歩いていた
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