迷霧の連弾 134
一年生の頃は
科学の授業で
蝶々を追いかけていた
クロアゲハも捕まえて
標本にした
当時は黒い蝶々が
好きになれなくて
何でこんな黒い色を
全身に纏っているのだろうと
蔑んでさえいた
今は様々な植物に触れて
考え方が変わりつつある
黒い蝶々が
鮮やかな蝶々よりも
魅力的だとさえ思えた
この黒い体で
夏の日射しの中を
堂々と舞っている
この容姿が
堂々としていて
畏敬の念さえ抱いている
ふとキャンプでの
田宮先生の言葉が
頭の中に蘇った
雲は空が青いから
白を選んだ
ではクロアゲハは
どうして黒を
選んだのだろう
人間には到底理解などできない
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