迷霧の連弾 130



それだよと保健の先生は

飛び跳ねんばかりの

勢いで歓声を上げた

確かに理恵は

そんなことを呟いていた

でもその言葉に

込められた意味は

何なのだろう

意味が分からなくても

こころが共鳴していれば

それで良い

理恵は言葉ではなくて

こころを交わしたい

それだけを必要としている

そういうことだね

保健の先生はひとりで納得している

どういうことですか

ボクは保健の先生に尋ねた

保健の先生はボクに鈍感だねと

呆れるように言った

どんなに聞こえの良い言葉を

目一杯並べられても

こころと一致していないと

通じ合わないんだよ

保健の先生は諭すように

ボクには説明した

保健の先生の言うことは

全て理解できないけど

何となく分かる気がした

でも分からないのは

なぜ理恵がそんな考えを

抱え込むようになったのか

これは理恵が尊敬する

田宮先生が尋ねたとしても

決して教えてはくれないだろう

26/01/08 00:40更新 / 秋時雨
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