迷霧の連弾 130
それだよと保健の先生は
飛び跳ねんばかりの
勢いで歓声を上げた
確かに理恵は
そんなことを呟いていた
でもその言葉に
込められた意味は
何なのだろう
意味が分からなくても
こころが共鳴していれば
それで良い
理恵は言葉ではなくて
こころを交わしたい
それだけを必要としている
そういうことだね
保健の先生はひとりで納得している
どういうことですか
ボクは保健の先生に尋ねた
保健の先生はボクに鈍感だねと
呆れるように言った
どんなに聞こえの良い言葉を
目一杯並べられても
こころと一致していないと
通じ合わないんだよ
保健の先生は諭すように
ボクには説明した
保健の先生の言うことは
全て理解できないけど
何となく分かる気がした
でも分からないのは
なぜ理恵がそんな考えを
抱え込むようになったのか
これは理恵が尊敬する
田宮先生が尋ねたとしても
決して教えてはくれないだろう
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