迷霧の連弾 114
どれぐらい歩いただろう
ようやく目的地に着いた
昨日の場所よりも
日当たりは少なくて
日常からはかけ離れた景色
まるで映画のロケ地だった
これを見なければ
このキャンプに来た意味はない
田宮先生は仰々しく言い放った
じゃあ今までの時間は
何だったんだろうね
保健の先生が
理恵に囁いていた
理恵は口元をゆるめ
穏やかな笑みを浮かべていた
その顔を横目で見たボクは
顔が赤くなっていることを
自覚したので
無理やりに顔を硬直させ
何もないフリを保っていた
田宮先生はもったいぶって
この足元にお宝がある
そう言って自分の足元を
右手の指先まで
ピンと伸ばして
指し示していた
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