迷霧の連弾 100
突然理恵は
誰に言うでもなく
田宮先生の言うこと分かる
歌はこころで歌うから
頭で歌わないから
たとえ歌詞の意味が
説明できなくても
こころが共鳴していれば
それで良いんだね
その方が良いんだね
しみじみと呟いた
ボクは炎の放つ
赤い光に照らさた
理恵の横顔を見つめた
理恵は穏やかな表情で
焚き火を見つめていた
まるで焚き火に
話かけているようだった
ボクに向かって
言ったのではないけど
理恵の口から
植物以外の話題が
発せられたことに
新鮮味と戸惑いを
感じていたボクは
理恵に惹かれつつも
何と声をかけて良いか
分からなかったので
ただ黙って理恵と同じように
焚き火を見つめていた
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