一番の、みやげ


母が
ガンになって
10年

主治医が姉兄に
余命が4か月と
死の宣告

新年
介護ベッドの上の
母は

遠い目をしている

不意に
私の兄が
告げる

兄の奥さんに
宿る新しい命が
あと3か月ほどで

産まれること

命の誕生を
予知するや
母は言う

「ねぇ!
これが本当の
冥土の、みやげね」

そして

生涯、子として
見かけた中で
母は一番の

笑顔をみせてくれた



26/01/05 15:56更新 / 木内のり
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