架空シナリオ

深夜2時、微かに濡れたアスファルトに
ただ一人、立ち尽くしていた
君と交わすはずだった言葉は
六本木のネオンに溶けて消えた

綺麗な噴水は 無情に水を撒き散らし
跪いた僕を嗤うよう
ああ、これは現実?
それとも、君が僕に見せた夢?

大雨警報、鳴り響くサイレン
世界の終わりを告げるかのよう
最終列車は、僕を乗せずに
君のいない「明日」へ走り出す

amp;#8203;シャッターの閉まった店の前で
ただただ、溢れる涙を飲み込んだ

これは悲劇のシナリオ?
それとも、喜劇の序章だったの?
街灯に照らされ、僕の影は長くなる
もう一度、君を探す旅に出ようか
それとも、ここで眠ってしまおうか
架空の物語に、ピリオドを打つために

25/09/16 10:03更新 / 仁志
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