hannah

山の中腹に霞んだ白色の隙間たち
芽吹く命の小さな合図
泡のように集まる薄色の花びら
日差しに瞳孔を細くする猫
青空に裂け目を残す飛行機雲
とある嬉しい二文字たち

また巡る季節
みな一様にして首を擡げ
歩き出す

春の恵みを受けて
花の儚さを懐かしみ
新たな道へ
どこまでも

繰り返して春
でも
同じ花に巡り会うことは
きっとない

23/03/30 21:07更新 / ころりな
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