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ころされるの3度目
人体蘇生術が当り前となり
ひとの命の価値観が随分と軽くなっちゃった
そんな時代の噺し

おれはまたも差向けられた刺客からこの命を
うばわれようとしていた
まったく行政局の指導者ってのは薄給の割に
不特定多数から怨らまれ嫉ねまれ全く割に合わない
「おいおい、またあの真っ只なかに堕ちるのか。
もういい加減厭だなあ。勘弁してくれ」
おれは愚痴ったが、死ばかりは他因自果
やがて視界がオレンジいろになって
イシキがじーんとだぶり浮游離床した
いつもながらとてもイヤな気分だ
ちぇっまたしんだのかこれでさんどめだ
サンドメメメー サンドメメメー サンドメメメー
誰かの揶揄する声が谺のように響いて
幻蝶する じっさいそのあいだのおれは
全裸なのかなんか別のスガタなのか
それすらもわからない まあ観測者も
通報者も皆無の領域なのだが
しかし腹立たしいのはくりかえされる
不本意と理不尽の連鎖劇
おれじしんの意思とか希ぞみとかとは
一切合切かんけいがない非業さだ
いったいこの残念なるるぅーぷ何回続くのか
やがて前回・前前回に体験したのとおなじ
幽すかな光明 イヤ、夜明が挿し込んできた

扉び出てみてまず感じたのは違和感
ありょんっ あるべき場所にあるべき
モツ がない‥‥
股間弄ぐって驚いてみたったらありゃしない
今回の蘇生ではまさか別の世界線とやらに
入り込んでしまったのか
すると時間は? ここの時間は?
あたりをまた観て 唖 然 となった
そこは数え切れない数の土偶がづらり並んだ
竪穴式石槨みたいな閉めった一室だっ (後略)

瀕試蘇生が人海戦術に依ると依らぬとに拘らず
3回1巡すると全然別の時間軸の体に意識が
跳ばされるなどという陳腐なカラクリに気が
ついたのは そのあと更に転生を繰り返した
かなり後の噺しである
イノチのコトワリを神でもない身が弄り過ると
やはりそれ相応なりの応報(竹箆返し)を
承けるもんなんだな やれやれ つぎに記憶が
引継がれてたら しっかり記録取っとくぜ


23/06/18 03:08更新 / OTOMEDA



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■作者メッセージ
https://youtu.be/v7C_Xay7VE8

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