手は繋ぐ。でも心は触らせない。
キスはする。でもその先はない。
許さないんじゃなくて許せない。
踏み入った先で拒絶されるのが怖いから。
自分すら知らない自分を暴かれるのが酷く怖いから。
隠した自分が綻びるのが怖いから。
怖いことばかりで繕って隠しているのに

貴方が愛してると囁くから
貴方が私を強く抱きしめるから
貴方が酷く愛おしそうにするから

貴方に絆されてしまう。
貴方に委ねてしまいたくなる。
貴方に、酷く愛されたいと願ってしまう。

遺された痕すら愛おしくなってしまう程に
私は貴方を愛してしまっているんだ。

■作者メッセージ
一線を超えるのは、まだ難しいのかもしれない