ぼくはいってしまいたかった
中犬用の青いロープも買っていた
安心を買ったつもりだったのに
だがぼくはもういやになったから
ここの高さを飛び下りる
ぼくはここにはいられない
火を使いきらすように部屋をとびだした
ぼくはいってしまいたかったから
前もってきめておいた引っかけは
ぼくを待っているようだった

ぼくはいってしまいたかった
ぼくはいってしまいたかった！
なのに、なのにこわいのだ
頬のあたりを風が耳打ちした
胸には黒い心臓がみはっていた
それらは何一つ告げなかったが
ぼくはこわくなった
ぼくは空を見た
黒い空をにらんだ
ぼくにはわけがわからない
この蝋燭、使い切れだなんて！

■作者メッセージ
生きようと思います