ポエム
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夜のソネット
死神の囁やき、キッチンに立って
成仏できぬ言霊、焼き鮭を食らう。
銀の皮から離れた、夕焼け色の塩辛い身は
今まで流してきた、涙の味がした。

生きているというのは、不幸なことだ。
救われないというのは、こういうことだ。
流してきた涙が無駄になったのは、
今この時も、瞬きが続くからなのだ。

夜明けが訪れても、訪れても、
また夜が、獣が目を覚ます夜が。
やってくるのだ、つぎつぎと。

起きていても、寝ていても。
頑張っていても、怠けていても。
やってくるのだ、ぼうぼうと夜が。
24/02/25 18:09更新 / たろう



談話室

■作者メッセージ
救われない気持ちを素直に詩にしたものです。
本当は、僕の生活には希望もあります。しかし、一時的に絶望のみに身を浸す時間を、自分に許してみました。

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