ポエム
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秋空
自転車に空気を入れて漕ぎ出した
輝かしくて冷たい空気の土曜日
昼前の通りに人影はないが
考えることは今もいっぱいだ

ひまわりとコスモスの混植
数秒立ち止まって眺めた
移り変わりを押し付けられるようで
視線を逸らし また漕ぎ出した

こんなに穏やかな日さえ
膨大な激動に呑まれる
今年は何があっただろうか
今年は何ができただろうか


風のない街路樹が揺らされ
何かの祝福みたいに落ち葉が舞う
追いもせず向かいもしない私は
ただ離れて祝福を見ている

やりかけのしたいことを積みながら
諦めることさえ保留して
聴いた音楽に左右されながら
心臓のリズムを変えていく

どうにかしたいという思いは
動力に変わりペダルへ伝う
目的地も決められないまま
結末のない次へと向かう

日を受け 体が火照ってきた
秋物の長袖を脱いだ
初速でふらついた自転車
私はまだぐずついている
22/09/03 11:55更新 / でんしん



談話室

■作者メッセージ
情景描写はあまり得意では無いですが、気づけたら大切に思える景色があります。

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