ポエム
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私よ、あんなことやこんなことをしていた私じしんを許して

ひとりで、
ノートに行を埋めていく。
そんな創作時代もあった。
じぶんの、
書いたものを発表する場所もなく
ただ
机の引き出しと机の上との
往復を
繰り返させていた
そんな
時代だった。
だから、
評価なんてだれからも
されなかった。
ノートから
パソコンに
書き記す場所を変えてみた。
まるで、
商業書物と同じように
活字で読んでる気分になれた。
私じしんの
意識はあきらかに変わった。
いつでも、
この文章をおおやけに向けて
発信できるんだ
という高揚感が芽生えた。

そして、
ある日それをしてみた。
《送信》を押すときのドキドキは
いまでもはっきりと覚えている。
それだけで、いいはずだった。
みんなにみてもらえるだけで
ノートの時代に比べると
まるで別次元に立ったようだった。

だが、評価を
気にしだしてしまった。
評価は、
読み手の数が多いほど
高いと思えた。
けれども、
そこには、
常連さんがいた。
常連さんは
常連さん同士
手を取り合って
その自由な場所を
我が物顔で闊歩しているように
見えた。
いや、
見えた、だけだったんだけどね、
今から思えば。

そして、
それに負けない為に
あんなことやこんなことを
やったりもした。
じぶんじしんが
その心根が
腐らないように、とだけは
気をつけて。

みていると、
同様の考えで
あきらかに失敗して
その人格まで腐らせている人たちが
ちらほらとみえた気がしたから。

それから
なんやかんやがあって、
いまにいたるわけ。

まるで
誰かさんみたい。

あんなことやこんなことさえしないのは
なにかを放棄しているみたいだし、
あんなことやこんなことをするのは
けっしてマイナスなんかじゃないと思うよ。

どんなに頑張ってみても
届かない声があるのなら
どんな手を使っても
届かせようとするのは
当たり前のことだと思うよ。
ほんとうに言いたいことならね。

ただ、
その心根を腐らないようにだけは、
しておかないと、ね。

じぶんに自信が持てないからね。




19/01/18 04:36更新 / 花澤悠



談話室

■作者メッセージ
赤裸々な告白。です。ウソです。ちょっとだけ、ホントです。みんな世界の端っこで生きて、さ。なにかをしたくて、さ。それがなにか、わからなくて、さ。でも、そんななかでも。ちょっと、は、爪痕残したいよね?

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