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屋島の伝説


源義経の敵の浦をかいた奇襲や
那須の与一のたわむれ弓演芸会で
有名な屋島に昇ったことがある
廃車にされたケーブルカーが
往時の映馨を鉄錆びとともに晒らす
麓からの登山路は結構息が切れたが
国内でもそんなに例は多くない
典型的なテーブルマウンテンと
いう地形で そのダイナミックさが
時間が経っても忘れえない思い出だ
平らな尾根台地を伝たっていくと
南アケープタウンの裏山にあがって
南極海を遠望している気分になれる
こうした山の事例としては遥か北西
アイルランドのベンブルベン山が
あるが こちらはコロボックルら小人
や精霊たちを見かけたなどという
真ことしやかな地元のケルト伝承が
纏つわりついてテイルムード満載だ
屋島にも討たれた平家の死者らの怨
念と因縁が大地に濃厚に凍み着いた
儘まで夜な夜な台地上空を徘徊する
青紫いろのレィコンらを頂上一廓に
鎮座する屋島寺の太三郎狸の陰茎が
盛大に熨憮しているなどと余分な
もぉ〜そぉ〜をかきたてさせられる
まあそうでなくたって古戦場への
逃れがたい執着や大石久子先生が
ハイカラなチャリンコで浦裏らを
通勤して過した戦前の日常風靡とか
名産饂飩の薄味に舌鼓打った気分に
なるのも余所から来讃した間抜け狸
の参び騙たりの醍醐味におもえるん
じゃあ ありませんかねえ
ねえ あなた ( ´,_ゝ`)




22/05/17 05:12更新 / OTOMEDA



談話室

■作者メッセージ
狐のライバルはいつになってもタヌキなのだ。忘れるまじ。
https://youtu.be/qwXAA-tHQlA

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