ポエム
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パンパンにつまった内臓が脈を打って
真っ黒な墨を吐き出す
空中に飛び散って、飛び散って
床にできた水溜まりが
うわんうわん哭いている
大声で哭いている

水の張っていない大浴場に
ぽつんと一人、取り残された
辺りには鉄玉子が転がっていて
それはどうやら、無性生殖しているようで

あなたのあどけない顔は哀しみ。
心がビックバンを起こして
藍色の華が咲く、華が咲く。
それは生を呼び、死を誘う。
23/08/11 00:23更新 / たろう



談話室

■作者メッセージ
象徴表現の多い難しい詩です。この詩は、恋の苦しみを唄った詩で、それは「あなたのあどけない顔は哀しみ」という部分から読み取れます。僕が恋をした相手は、楽しいとき、まだあどけなさが残った、嬉しそうな顔をします。でも、その顔が、僕の哀しみを誘うのです。

生きていることの喜びにつながると同時に、無機質で冷たい、苦しみを掻き立てます。その恋が、叶わないものだと知っているからです。

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