ポエム
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憎しみに似た肌の白壁が
僕の心を食おうとしている
あれから一体、どれほどの時間が過ぎたのだろう

何もない部屋に鳴り響くのは
長靴の足音に似た、罪。

うわんうわん云う空気が
過去の記憶を呑み込んでいく。

僕は慈愛に満ちた心で
体内に生きている細菌を労う

さっきの警官は思いのほか優しかったあね。
僕は自分を大事にしますと嘘をついたあね。

人にやさしく、人にやさしく。
ただそれだけで良いような気がして。

これじゃあまるで、ままごとのようだ。
お湯の沸くやかんの音が、心に染み込んでいく。
23/08/07 03:26更新 / たろう



談話室

■作者メッセージ
警察署のおまわりさんに、辛い気持ちを聴いてもらって。「もうこんな、自分を傷つける行為はしないでね」、「わかりました」。この返事が、嘘だとわかっていて。

何回も親身に話を聴いてもらっているのに、いくどとなく繰り返す自損行為。これではまるで、おままごとと同じ。おままごとのために警察官は僕に寄り添ってくれているのではない、それをわかっているのに。

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