ポエム
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夜の姿
大いなる黒よ

我限りない早熟を以て 

描かんとする 夜の姿を

築かれるべきは城なり 

渡り給うは想いの矢なり

今朝より出でて 遠からぬ空へ 

運ばれゆくは歌なり

読まれぬ春草の影幻は

これ美しからずや

我のみぞ 君を知る

見事なる羽根を以て 

まさに夜は来れり

霞がかる人々の眼は

しもべの如く もやく染まれり

風は獰猛な爪の如く

家々を襲い 脆くも崩れ去る

ちぎれる肉のおぞましき臭いに

なおも我の膝は従わず

夜の暗きこと一切を写しとり

今ぞ 恐れなす衆生の霧を晴らさん
24/02/19 09:23更新 / 黒い糸



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