ポエム
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新盆によせて
白紋天をつるし灯りをともしたら
花はあなたの好きだった白いかすみ草を多めに
お気に入りの白檀の香を燻らせて
例年にも増して暑さが際立つ夏の空
いつも一緒だった部屋の静寂が耳につく

池に咲くハスにはカワセミが羽休め
あっという間に飛び去った小さい青色に
ふとあなたの人生を重ねてしまった
水面が乱れたのはハスのせいではなく

あなたの鼓動が空で響くようになり
私は毎日を生きることで精一杯だった
朝な夕なあなたの不在に打ちのめされ
私は息継ぎすらも苦痛だった

そんな私を見かねてなのか
机の中に書き遺してあった手紙
「生きて ずっと見てるから」
あの日絶望の水底へと手を差しのべたのは
相も変わらずあなたの存在だった

私には足りなすぎるお膳も
少食なあなたには丁度いいかもしれないね
初めて供えた精霊馬はだいぶ不格好だけど
どうか我慢して乗りこなしてほしい

さて今宵はあなたの好きだったお酒で献杯しよう
まだ胸を張れるような私ではないけれど
湛えたグラスにあなたが微笑んだ気がした
23/10/23 19:53更新 / 秋山 青生



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