ポエム
[TOP]
ボクサー
きみは戦っている
見える敵 見えない敵とも
きみの繰り出す手はことごとく
はね返され束の間の休息さえ
許されない まるでルールを
教えられずセコンドさえつかない
ボクサーのようだ

確かにルールは教わったのだろう
たった数行でもルールであることに
変わりはない
技も教わったのだろう 教えた者
それぞれのやり方で

そしてきみはリングに上げられ
ボロボロになってしまった
味方と思った者は味方ではなく
観客はただきみが弱いからと見ている

でもきみは戦っている 理不尽と
思おうが 武器が無かろうが
逃げられない現実に立ち向かっている
きみはここで何を得るんだ

ゴングを鳴らすのは誰だ
きみか? きみが決めていい
やるだけやったらリングを下りて
堂々と立ち去る それもいい

リングに上がれないぼくは
ただ祈るしかない
きみの戦いが終わるのを
きみのやり方で幕を引くことを

ぼくにはわかってる
きみも知ってる
この戦いが終わってもまたすぐに
次の戦いが始まることを
20/08/21 21:08更新 / 香弥



談話室

TOP | 感想 | メール登録


まろやか投稿小説ぐれーと Ver2.35c