ポエム
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ドーナッツホール
ドーナッツの穴というのは、
ドーナッツが本体なのか、穴が本体なのか。
もしそうなら、ドーナッツの「穴」なのか、
「ドーナッツ」の穴なのか。
少なくとも、僕には見分けがつかなかった。

僕の心には、ぽっかりと透明な穴が空いている。
気がついたのはついぞ最近のことだが、
ずっと前から空いたものだった。
気が付かなければ、穴を埋めようともしない。
そういうことで、穴は空いたままだった。

気になるのは僕に穴が空いたのか、ということだ。
足りなければ埋めればいい。
それは難しくても、不可能じゃない。
だが、穴を覆うように僕ができていたらどうしようもない。

この場合は、僕「が」穴というべきなんだろうか。
つまり、穴が僕の本体であったら、ということだ。
もしくはドーナッツのように、
穴が空いていることが前提なのだろうか。

さて、ドーナッツの話に戻そう。
いくらドーナッツに穴が開こうが、
かじって仕舞えば穴は穴でなくなる。
穴の意味をなさなくなる。
だからこの話は無意味である。



23/09/17 20:58更新 / 末葉一々



談話室

■作者メッセージ
最近食べたドーナッツは豆腐ドーナッツでした。
おいしかったです。

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