唐突に嫌な思い出がフラッシュバックして
｢なぜあの時ああしなかったのか｣
｢なぜあの時こんなことを言ったのか｣
と『今の私』を責め立てる
『過去の私』が現れる

そんなこと言わないで
やめて黙って

そんな『今の私』の言葉を無視して
『過去の私』はずっと責め立てる

いつまでも恨めしそうな目で『今の私』を見つめる『過去の私』
目を合わせるのが辛くてそっと目を逸らす
ごめんね『過去の私』
今を生きてるのはあなたじゃないの
過去はもうやり直せないの


ほんとに？


ほんとにそれは『過去の私』なの？

過去は
やり直せないんでしょ？

じゃあ
過去が現在に干渉してくることなんて
無いでしょ？

責め立てる『過去の私』も
恨めしそうな目をした『過去の私』も
本当は
『今の私』
なんじゃないの？

何度も
何度も
同じ過ちを繰り返して
｢またやってしまった｣
｢次こそはうまくやってみせる｣
そうやって意気込んで
昔から何一つ進歩することなく
今を生きる私が
『過去の私』なんじゃないの？

『今の私』は同じ過ちを犯そうとする『過去の私』に
｢これをした方がいい｣
って必死に教えてくれてるんじゃないの？

話を聞いてもらえるように
目を見て
訴えかけてるんじゃないの？

それを
聞く耳も持たずに
｢黙れ｣
なんて言って
突っぱねてる私は
変わることがない『過去の私』
そのものだよね

ねぇ『私』
どう思う？

■作者メッセージ
有機物です。
最近ハッとしたこと。