おばあちゃんは
いつも編み物をしていた
嬉しいときも
悲しいときも
いつも手を動かしていた
時折居眠りしながら
こくりこくりと
冬になるとおばあちゃんの
作品で部屋がいっぱいになる

長い人生我慢が多く
辛いことのほうが多かったかも
しれない
でももくもくと
ただ静かに手を動かしていた

私も冬のひととき
手をちくちく動かす
作る楽しみを教えてくれた
おばあちゃん

おばあちゃんのように
嬉しいことも悲しいことも
埋め込んで
味のある作品にはほど遠いけど
ていねいに過ぎてく
冬時間が幸せだ
冬のひととき春を待ちながら
手芸を愉しむ

すべてに時があるんだよと
教えてくれたおばあちゃんの
ことを思って

■作者メッセージ
読んでくれてありがとうございます