宝石は売られてしまった。
自分を黴菌と豪語言うにはあなたはあまりに普通すぎる。
あなたは異端でもない。
という端書きのエステサロンが出来た。
私が行ってそこで出会った女を、私が彼女を作品化する第三者の、これは私の、私の目として、物語をつくり、批評してみよう。
彼は宝石商をしている。
店にずらりと並んだ石。
客は必ず自分の好みを買う。
自分に似たものを。
「美しい。」と思って買う客は少ない。
どこか自分を遠ざけ、伏し目がちに選ぶ。
そうして似たり寄ったりの色で不服している。
宝石商はそれを楽しむように上品に笑う。
たまに自分に落ちる思慮深い女や、
女も何も罪の残らないところが好きで
まんざらでもなしに、落ちる時のスピードを楽しみ、
日頃の疲れを笑う。
悪業とは彼の中でどうしてもする意志のようなものだ。
そんなことが弱くはかなく見えることがあるので注意したい。
どうしても強く思えてならないのだ。
文学は自分の言いたいこと、聞きたいことのためにあって、
上手は後で良いようだ。これは道徳だ。
彼はそう、欲に落ちてから、恥、そこから進める人道的なものを、良かった過去に縛り付いて飛び越えている。