想ふこと
夢だから醒めないで。このひと時は、この想いは夢のように儚い。目が覚めた時、思い出はただの無機物になってしまう。それがわかっているのに私は幾度と愛してしまう。お願いだから醒めないで。どうか、永遠に夢を見させてほしい。醒めてしまうと分かっていても、それでも夢を見続けるのはきっと、美しくて愛おしいから。願わくば、美しい夢の中で私を殺して欲しい。永遠に醒めることなく、そこに居させて欲しい。この愛は、この夢は、きっと呪いだ。呪いを解くには私が大人にならなくてはいけない。まだ大人になりたくない。夢見る乙女のままでいたい。数え歳は大人でも、私の心は未だ夢を秘めている。大人になることができなかったおとな。出来損ないなのだろうさ。大人になるために、熱く、長い夜を過ごしたい。愛しい者と愛を確かめ合いたい。そんな日は来るのだろうかね。人生とはなんとも残酷だ。