ポエム
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忘却
それは錆びた歯車が動き出す衝撃
ギーシュコ、ギーシュコ このほの暗い六畳間の小さな明かりの中に
私と貴方がいた一夏の記憶
私と貴方の乾いた茶色な冬の記憶
それは輪郭を失っていくので、この指先はいつまでもうずうずと寂しいままなのです
だから今、私のいる道には木枯しが泣いているように吹くのです
でも今ここだけは誰かのいるように確かに暖かいのです
ギーシュコ、ギーシュコその音は生きてきた道程で負った古傷に優しく沁み入る
ギーシュコ、ギーシュコ、回り続ける…
21/02/14 10:38更新 / 道端



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