ポエム
[TOP]
パタタンパタタンと
不規則に打ち付ける音は
最初から聞こえていたようにも
いつの間にか聞こえ始めたようにも思えた

君は
僕の左の頬と肩の間に顔をうずめて
雨だと落ちつくな
って呟いた

窓はどれもぼんやりとした白色
闇の向こうでは
距離感を掴ませない光が
現れては消えた

僕は
左手の指に髪を絡ませながら
口で君のおでこに優しく触れて
右手の指は左手の指に絡ませた

ひんやりした空気に
いまだ冬なのだと思い出しながらも
君に触れている肌には春を感じた

僕らには
そのまま朝を迎えることなど
許されてはいないから
見方によっては
不幸せなのかもしれないのだけれど
これほどに心も結ばれた二人など
この世界にどれほどいるのだろう

そう感じたあの時のこと
20/03/27 06:43更新 / you



談話室



■作者メッセージ
幸せだけをあげたいけど、
その方法はなかなか見つからないものですね。
そう簡単ではないからこそ
尊いのかな(^^)

TOP | 感想 | メール登録


まろやか投稿小説ぐれーと Ver2.35c