ポエム
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透明な罪を暴く
思うようにならない世界だ
ということに
誰しも異存はないだろうけど
そんな人々の希望や挫折は
いったん脇に置いといて

なるようになる世界は
どうして
なるようになる世界なのか
どうして
なるようにならない世界
ではないのか

どうして 世界を
そのような選択された世界だと
思ってしまうのか

どうにかなるさ と
いつも清々しく振る舞う君に
少し憧れを懐きながら

もちろん その
どうにかなる というのは
どうにかなる というより
どうしようもない とか
どうにもならない ような
どうにかなりよう のときも多くて

そして 僕らは絶えず
驚くほど強烈な強引さで
選択を迫られている
ような気がするのは
ただの錯覚なのだろうか?

ある日 彼女が
綺麗な観葉植物を買ってきて
日当たりのよい窓際に置いた
「ここにあっても
 差し支えないでしょ。」

またある日 彼女は
輸入雑貨のお店から
お洒落な椅子を買ってきて
日当たりのよい部屋の片隅に置いた
「ここにあっても
 差し支えないでしょ。」

あの時から ずっと
“差し支えのなさ”って
いったいなんだろうって
考えてたような気がする

南米アマゾンの森から
切り出された樹木が
木材となって遠く中国に渡り
美しい椅子に成形されて
来日し 彼女の導きにより
あの部屋へ迎えられた

その椅子に座ってみる
とてもいい座り心地だ

でも 椅子よ
ここにいても差し支えないと
君は言ってくれるけど
もしここにいなくても
それはそれで差し支えがないって
言うんだろう?

いても差し支えないけど
いなくても差し支えない?

そんなとき なにか
自分が知り得ないはずの
生まれなかった赤子のような
淋しさを感じるんだ

宇宙が誕生するとき 既に
人類も誕生することを
約束する法則があり
そして人類は誕生した

でも 宇宙よ
僕らは誕生しても
差し支えなかっただろうけど
誕生しなくても
差し支えなかったんだろう?

こんなくだらないことを
毎日のどうでもいいクソ仕事の合間に
ふと考えてしまうんだ
23/03/26 10:31更新 / しそら



談話室



■作者メッセージ
(訂正前):そんなとき なぜか
(訂正後):そんなとき なにか
この間違いはさすがに気持ち悪いので訂正させてください。

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