ポエム
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避難民
パフェ食べようと思って
パフェ食べてたけど
なんでこんなことしてるの
と パフェ食べながら思う
平和の国の 平和な一日

呑気を装ってはみても
内なる動揺は隠しきれない
平和の国の 平和な一日

誰だってそう
誰だって
きっとそうさ

同極同士の磁石の中に迷い込み
右往左往逃げ惑う異極の磁石が
とうとう堪えきれずに宙へと弾け飛ぶ

山上路夫作詩の『翼をください』は
自殺願望の歌だと思い込んでいた
平和の国で パフェ食べながら

休日はたいてい山の中
熊が恐くはないかと
訊かれるけれど
あなた方ほど恐くは
ないでしょう

引き籠りたいけど
引き籠れる場所が
見当たらなくて
安全なシェルターを
この手に掴むため
恐怖が渦巻き跋扈する
人類の巣窟の真っ只中で
必死に稼がねばならぬ

これでいいのか
これしかないのか
これでいいのだ
これしかないのだ

誰だってそう
誰だって
きっとそうさ

トムとジェリーが
仲良くケンカ

人類みな兄弟で
仲良く戦争

平和のときは
平和の歌を

戦争のときは
戦争の歌を

蔓延りたい者同士で
蔓延っていればいい

和解したくなければ
争わぬことだ

地球からの声は
いつだって
強く優しい

誓いの言葉と
少しの未練

いつか
さよならができる日まで

長い長い
自殺の旅

誰だってそう
誰だって
きっとそうさ
19/08/21 11:17更新 / しそら



談話室



■作者メッセージ
作詩:2019年08月21日(水)

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