ポエム
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飛ぶ魚
小さな街の片隅で唄う
無酸素呼吸をする
あの魚のように

誰かに聞かせる訳でもなく
この声は小さくて
誰かに伝えたい訳じゃなく
この言葉は脆くて

街の灯りと
星の光が
かろうじて存在を赦し

冷たい風と
あの家から洩れ聞こえる
賑やかな音が
この唄声を消してくれる

あの魚のように
私は今も
無酸素呼吸を繰り返す
19/12/14 22:33更新 / 俚乃



談話室



■作者メッセージ
呼吸をしているはずなのに息が出来ない。
最初にこのタイトルで書いた時の気持ちだった。
あの時の内容と全く変わってしまったのは
その息苦しささえ感じなくなってしまったのだと
今ごろ気づいた。

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