メーデー メーデー 鳴く風
小夜時雨が止むまで
電気ストーブのオレンジに染まった虚ろな僕
メーデー メーデー 鳴く風
小夜時雨が止むまで
苦いわだかまり 今際の際 枯れきったかすみ草

夜目を利かせてCDを回す
あなたが生きる為に回る世界
期待 裏切り 絶望の涙
何度もくりかえすこれはもう怠惰

お気に入りの白のパーカーを
着て歩く雨の日のアーケード
人並みの少ない町は全部僕のものさ
お気に入りの白のパーカーを
着て駆ける雨の日のアーケード
雨が石を穿つ間に僕は高速で駆け去るから




平凡な夜は咲かない
熱い思いの丈は儚い
今生きる人も死んだ人も十分独りだったろ
平凡な夜は咲かない
熱い思いの丈は儚い
赤い提灯と回るゴンドラ
潮の香りに漂う後悔

仄かに過る痛い思い出
断片的に写る冒険譚
期待 裏切り 絶望の涙
何度もくりかえすこれはもう怠惰

残り僅かな僕の人生の
最大出力の愛情を
届けたい人の名前さえ僕は知らなかった
残り僅かな僕の人生の
最大出力の哀情を
なんて… なんて…




明日がやってくるのが怖くて
眠らずに書きためる幾夜の詩
「今に見てろ」なんて出ない千鳥足のペン

お気に入りの白のパーカーを
着て駆ける雨の日のアーケード
雨が石を穿つ間に僕は高速で駆け去るから

残り僅かな僕の人生の最大出力の愛情を
届けたい人の名前さえ僕は知らなかった

メーデー メーデー 鳴く風
小夜時雨が止むまで
電気ストーブのオレンジに染まった虚ろな僕