心象風景
目を閉じれば 白い浜辺
そこでは私の存在は朧気で確定しない
辺りに人影はなく 海鳥の声も聞こえない
風も立たず、凪いだ波の静かな音だけがこだまする
熱くもなければ寒くもない ただぬるま湯につかっているような感覚
ふと見ると、砂浜に鼓動を打ち輝く何かが打ち上げられている
それは水晶のごとき断片(かけら)
あれほど輝いていたはずなのに 霞んでそれが何なのかわからない
確かにそこに存在するのに 掴めない 触れることが出来ない
打ち寄せる波は容赦なく、キラキラ光る何かをまた沖へ運ぶ
私の頬を伝う涙
あの浜辺は過ぎ去った日々か、これからの物語か
私は後何度、あの輝くものたちに出逢えるだろうか
誰もみな あの心の浜辺で輝く何かに思いを馳せるのだろうか
燃えるような蝉の確かな生命力が
過去と未来のはざまから私を今へと呼び戻した。
窓を開けると 流れ続ける曇天の彼方に微かに光が射していた。
そこでは私の存在は朧気で確定しない
辺りに人影はなく 海鳥の声も聞こえない
風も立たず、凪いだ波の静かな音だけがこだまする
熱くもなければ寒くもない ただぬるま湯につかっているような感覚
ふと見ると、砂浜に鼓動を打ち輝く何かが打ち上げられている
それは水晶のごとき断片(かけら)
あれほど輝いていたはずなのに 霞んでそれが何なのかわからない
確かにそこに存在するのに 掴めない 触れることが出来ない
打ち寄せる波は容赦なく、キラキラ光る何かをまた沖へ運ぶ
私の頬を伝う涙
あの浜辺は過ぎ去った日々か、これからの物語か
私は後何度、あの輝くものたちに出逢えるだろうか
誰もみな あの心の浜辺で輝く何かに思いを馳せるのだろうか
燃えるような蝉の確かな生命力が
過去と未来のはざまから私を今へと呼び戻した。
窓を開けると 流れ続ける曇天の彼方に微かに光が射していた。