オトナというものになりたかった

父に認めて欲しかったのだろう

オトナ。にみせる為、

ウチに掛かってくる電話対応、とか母親のセリフ真似して

もしもし？◯◯ですが。どなた様。でしょうか？

結局、欲しかったのは、話をきいて貰う時間であって

心の声を受け入れて欲しいだけ

わかんないから、


僕がオトナなら、きいてくれる、受け入れてくれる。


そんな気がしていた、だけ。

花は咲けども春はこず

鳥はさえずれど夏に会わず

風は孤独を包めれど秋に触れず

月は照らせど冬の先は見えず

そんな背伸びや

オトナ、になってしまってからの絶望も

「わたしがいるから。」

「大丈夫やで。」

母には全てお見通し。

■作者メッセージ
石橋を叩き割る父と
石橋をあっさりジャンプする母に育てられた、気がします。