ポエム
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俺は
俺は、コミュ障だ。
中学の頃、いじめられたせいもあるかもしれない。
人に関わることにものすごく警戒するようになってしまっていた。
今考えれば、いじめられる原因は俺にあったのかもしれない。誰かに対しての無自覚な酷い振る舞いが巡り巡って俺に来ていたんだろう。
20歳の成人式の頃、俺をいじめていたはずの一人が、強く俺に頭を下げてきたことがあった。あの時は本当にごめんと、こっちにしてみればずっとあの時の意地の悪いいじめっ子だったはずの男が、1人の青年になって、立派に謝ってきたのだ。
その時俺はなんて返したか、たぶん当たり障り無いことを言ったんだと思う。もう前のことだから気にしてない。とか、俺の方にも原因はあったんだろうとか。まだ若かったからとかなんとか。
実際は胸が裂けそうだったような記憶がある。
元々誰かとの付き合いなんて大してしてこなかった男だ。
きっといじめっ子だった彼は色んな経験をしてきた上で、あと時の非は自分にあったと感じて謝ってくれたのだろう。立派な人だ、今ならそう思える。
完全な想像ではあるが、今彼はきっと幸せな毎日を掴むため努力しているんだろう。努力して、いいお嫁さんを貰って、子供も生まれているかもしれない。きっと良い奴にもなっているんだろう。
謝るってすごく勇気がいることだから。それが何年も月日を経ても出来た彼は、凄く格好いい男だ。

じゃあ対する俺はどうだろうか。
イジメを受けてきて、人との付き合い方が分からなくなってきたせいもあるかもしれない。でも、それももう十数年前の事だ。
いまは同年代の殆どが学生の頃のあの頃、ではなく、仕事を初めて数年経った今に向き合っている。
仕事に打ち込んで出来た関係性と、日々の苦悩を分かちあったり、苦しんだり、そうして成長していってる人もいる。家庭を持って、子供を持とうとしているやつもいる。
俺はどうだろうか。
親父が亡くなってからも、その前からも、前に進めているんだろうか。いや、そんなわけはない。
だって何も変わっていない。
俺を好きになってくれて、結婚までした女の子に未だに本当の本音で向き合えてない。
もし、俺が自分に自信が持てれば、なんて考えてその場しのぎの行動をして、全く成長に繋がらなくて、ずっとずっと3年前から変わらない。
人に対するコミュニケーションもそうだ。
俺はずっと避けてきた。
面倒な飲み会も、強要されるような企業体質も問題だとは思うがそれに所属しているのは自分で、こんな所にいるやつはクズばっかだ、体育会系に酔ってる連中ばかりだと見下しまくっているのだ。
底辺の大した仕事もできないやつが何を偉そうに語るんだろう。へらへらと笑って予防線を貼って与えられたことをとりあえず律儀にこなして、体裁だけは繕って関心も嫌悪も何ももたれない興味を持たれないように振る舞うだけ。
関係性がそれで広がるわけが無い。
万が一声をかけてくれた人にも、当たり障り無いなんの身にもらない会話しか出来ない。

人に興味が無い。
そんなわけない。
興味はある。
でも話したい話題がない。
何を話せばいいか、いつしか分からなくなって。
ただ誰かが声をかけてくれるのを待つようになってしまっていた。

へらへら笑っているさ。
平気なフリして、大人のフリして。
家賃も電気代もガス代もしょうもない給料から払って。
しょうもない給料から高くなった食費を払って。
どうにかへらへら生きてんだよ。

でも、辛い。
承認欲求なんてないわけが無い。誰かに認められたい、必要とされたい。
でもSNSなんてやったところで誰も俺なんかに見向きしない。昔の友達や知り合いが輝いた日常を楽しそうに冗談混じりで投稿しているのが見ていて辛くなる。
誰にも必要とされていない。誰にも関心が持たれない。
そんな存在であることを自覚するのが、堪らなく怖い。
電車の中でも、外でも、何気ない一瞬で、何気ない瞬間で存在するかも分からない格差を感じてしまう。どこか、どこかで勝ってる部分は無いか。優位な部分がひとつでも無いか。そうやってあらを探してしまう。

そうやってやってる内に、全員俺よりはずっとマシな人達だって思うようになった。
自分がどうしようもなく無様で愚かで醜くて、どうしてこんな存在が生きて、必要とされる人間が死んでしまうんだろう。そんなふうに思うようになった。
いや自分の価値を低めてるのは、お前の責任だろ。なんてことわかってる。否が応でも何度でも突きつけられてきたことだ。

どうでも、もうどうでもいいか。
そんなわけない。
変わりたい。
でも1歩を突き出すのが怖い。
誰かに自分を見られるのが怖い。

でもコミュニケーションがもっと出来るようになりたい。
関わりを作れる人間になりたい。

こんなことを三十路の男が願っているのだ。
世も末だ。末なのは俺だけかも知れないが。

さて、こんなポエムどこで晒そう。
とりあえず気ままに書いて、どこかに晒す。
それくらいはしてみようと思った。
23/09/17 02:23更新 / ごろねおじ



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■作者メッセージ
夜中に唐突にバケツが一杯になって書き殴っただけのもの。ポエムと言えるかすら怪しい。

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