私のポートレートをあの人は持っている
きっと大事にして呉れてると思う
どうか私の事を忘れないで
私も忘れない

あの時あの人は私を好きになっていたのでしょう
私も好きになっていた
せめて一言でも好きだと云って欲しかった
せめて一言でも好きだと云いたかった

あの人にはあの人の事情があって
私にも私の事情があって
ついに別れてしまった
お互い別の国へ行ってしまい
もう会える機会はないのでしょうか
もいちど会いたい　巡り会いたい
それほど素敵な人だった
あんな素敵な人に出会えたなんて
幸運だった　幸運だった

私もいつもあの人を想い出す
だからあの人も私の事を想い出す
切なくなってきたら今頃
あの人は切なくなっているでしょう
どんなに遠く離れても
この切なさはあの人のもの
だからあの人の今在る切なさは
・・・私のもの

■作者メッセージ
誰も一生に一度、この人と愛し合いたい、すべてを共有したいと思える出会いがあるでしょう。お互い通じるものがあったからこそ、惹かれ合ったのだから、いざ別れる時が訪れてしまうと悲しくてやりきれなくて自暴自棄になってしまうけど、愛する想いは変わらないから、せめて生きてる間は美しい想い出として留めて置きたい主人公の恋愛事情を詩に表現しました。