ポエム
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風船飛行
一つの風船が飛んでいる
どこゆく宛てか 尋ねてみたい
フワリフワリと舞いながら
その風船は私の許から少しずつ
西の彼方へゆっくり遠去かる
その光景が画(え)になる位に美しくなり
夕陽と共に私の視野に華が生まれて
まるで自分まで宙に浮く気分
フワリフワリと感じ出し
私の頭の中は空っぽになる
就いてゆきたい 就いてゆけない
風船の後(あと)を物欲しそうに目で追うばかり

所詮私も地上と触れ合う人間
風船みたいに まさか飛ぶなんて
考える事すら おかしなこと
なのに飛んでる気持でいっぱい
フワリフワリと飛びたくてたまらない
いつだって飛びたいという事を
じっとしていたら 忘れられない
20/06/23 12:43更新 / vayacondios



談話室



■作者メッセージ
何気なく空を夕方見ていたら風船が見えて、私も風船になってもっといろんなものが見たい、地上から離れて現実逃避してみたいなんてファンタジーを呼び起こすシチュエーションに陥って我を忘れていく状況を謳ってます。そんな風に自己陶酔していけたらどんなにいいだろうと思う主人公の嘆きが奥に込められています。ですがこの詩自体にはそんな陰はちっとも感じさせていません。

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