ポエム
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三つのみかん
みかんを三つ 窓辺に並べて
幸福を部屋に 招いてみよう
しばらく嫌な事 続いたから
何かちょっとしたいい事が
さり気なく やってくる

不安な今を 鏡に映し
消してしまえばよかったと
息が詰って 窓やドアを開けた
部屋の中が窮屈になって
心臓が爆発しそうで怖いから

みかんを三つ 新たに並べて
窓辺に置こう さり気なく
そしてさっきの 三つのみかんは
食べてしまおう 頬張って
きっと甘い すごく甘い味だよ
それがもしかしたら
ちょっとした 幸福めいた
いい事かもしれない
20/06/21 15:39更新 / vayacondios



談話室



■作者メッセージ
誰でも自分にとって人生が良くなるためにすることがあると思う。この主人公の場合はみかんに自分を投影させ、嫌なものから遠ざけようと幸福になるために慎ましながら心掛けてきた。でもあまりにみかんに自分を執着しすぎてしまうとかえって何も見えなくなるから、思いっ切ってみかんを食べてしまったら案外瞬時に楽になれたという他愛も無いお話ですが、この詩を通して、無理に何かに執着して自分を見失うのではなく、幸福になるためにいつも通りにしていれば、何にも構える必要はないんだよと主張している詩である。

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